私のかみさま
始まった日々
とん、とんとん


不器用な音が響く

壊れた屋根の修理をしている


『社を直したら殺してやる』


初対面の正体不明の不審者のその言葉に
私は頷いた


もうなんでも良かった

どうでも良かった


あの人が何を思ってそんな事を言ったのか
疑問に思わないわけではないけど


殺してくれるって言うなら、従う




「…結構あちこち痛んでる」


金槌を叩く手を休めて、社を見つめる

この様子だと
信者はもう長い間いないのかな

壊れたまま放置され
ただ朽ちていくのを待つだけの社

小さな頃は私もよく参拝していたけど
今はからっきし


「…」


財布を取り出して10円玉を賽銭箱に投げ入れる


からんからん


錆びた小さな鈴を鳴らして、手を合わせる
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