私のかみさま
「随分派手に打ち付けたな」


言いながら、私の手を取る

懐から取り出したハンカチのようなものに
袋から取り出した保冷剤を包むと
それを私の指に当てた


「ほら、ないよりましだろ」


小さく私に笑いかけて、立ち上がる


……口では色々ごねながらも

手付きは丁寧で優しくて

なんだかとても、こそばゆい



「……あ、りがとう…ございます」

「ん」



短く頷くと
彼は社から少し離れた所に座って
ぼんやり遠くの景色を眺め始めた


………変なひと


定職に就いているわけでもなさそうなのに
食べ物や着る物に困っている様子はない


ホームレスじゃないなら一体…



「…」



……考えたって仕方ないか


どうせ私は死ぬんだし



殺される人と殺してくれる人


その関係だけ分かっていれば、他には必要ない



とんとん、とんとん


思考を遮断し、作業を再開した
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