【極上旦那様シリーズ】今すぐお前が欲しい~俺様御曹司と甘く危険な政略結婚~
おろおろしながら自問自答する私に、彼が面白そうにクスッと笑った。
「それってひとり言?それとも俺に聞いてる? 実感がないならもう一度抱こうか?」
私に顔を近づけて、優しく口付ける蒼士。
彼にキスをされると思考が停止して何も考えられなくなる。
もう何度彼にキスされたかわからない。
最初はただビックリして彼に翻弄されるだけだった。
でも、今は心がキュンとなる。
「綾香、止めてくれないと本当に抱いちゃうよ?」
彼の声で我に返った。
「だ、だ、駄目ですわ」
激しく動揺しながらもなんとか言葉にする。
「残念。朝食出来たけど、身体は大丈夫?」
身体……。
ちょっと気怠い感じはするが、病気ではない。
病気なのは……。
「私は大丈夫ですわ。蒼士の風邪は?」
ハッと思い出して聞けば、彼はにっこりと微笑んだ。
「たまに咳をするぐらいで、一日寝て治ったよ。綾香のお陰だありがとう。シャワー浴びたらダイニングにおいで」
私の頬に愛おしげに触れると、彼は寝室を後にする。
胸がドキドキする。
蒼士の姿が見えなくなると、頬に両手を当て叫んだ。
「ああ~、私……蒼士と身体を重ねたのね〜!」
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