家族

本城亜沙美は子供が小学校に通い出すとパートの仕事を始めた

子供は元気な男の子で名を玲音と言った

夫の悟史はパートに難色を示したが、『玲音をサッカーチームに通わせたいからお願いよ』と言うと渋々認めてくれた

夫は月に3回の週末の出張以外は、ちゃんと家に帰って来て善き夫として子育てにも積極的にしてくれていた

だが週末の出張の時に玲音が

「パパ、サッカーの試合が週末にあるんだ!観に来てよ!」

と頼んでも頑として来てはくれなかった

父兄参観もサッカーの試合の観戦も‥‥

観に来てはくれない

それが玲音には理不尽な気がしてならなかった‥‥


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