空に向かって


「あ、ちょっと!」

私より先にリビングの扉を開ける男の後ろをついて歩く。

「何もねえじゃん」

リビングの扉を開けるなりそう私に言葉を投げかける。

「いらないから」

秀虎から視線を外し、床を見つめる。


「ふーん、あっそ。早く茶出せよ」

興味ないです、って感じで4人がけの食卓の席に着く。ってかそこ私の席だから。

渋々ワガママ男にお茶を差し出すとがぶ飲みをして、

「おかわり」

そしてまたお茶を注ぐと、

「おかわり」

椀子そばかよ。

< 156 / 321 >

この作品をシェア

pagetop