空に向かって


「また来なさいよ」

照彦は手をヒラヒラと可愛らしく振る。


もう来ることはないと思うけど。

なんて思いながら手を振り返す。


「沙織ー!またなー!!」

半泣きの秀虎に、またねと言う。


またね、その響きがまた会ってもいいんだって思えて心地よかった。


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