この空の下
ここを辞めたいのは関係を持ったからじゃなくて、どちらかというと私の気持ちの問題。


恥ずかしくて絶対に口にはできないけれど、

私は、

隆哉さんが、

好きになりかけている。


彩葉さんが現れるまでは、もしかして隆哉さんも同じ気持ちなのかもなんて思っていた。

そのくらい、隆哉さんとの時間は心地良かった。




「悪い、今から会議なんだ。夜もう一度来るから、帰らずに待っていて」

携帯を見ながら、突然立ち上がった隆哉さん。


「ええ?もういいでしょ?」

「ダメだ。ちゃんと話さないと後悔するから」


後悔って。


「待てと言われれば待ちますけれど、気持ちは変わらないわよ」

「ああ」

不満そうに、隆哉さんは帰って行った。
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