この空の下
「なあ彩葉。俺はお前が大切だよ。でも俺の職場はここなんだ」

「うん。分かってる」

「お前のやりたい仕事は何?ピアノ教室で満足できるの?いつか後悔しない?」

「そんなこと・・・」

ないとは言えない彩葉。

そりゃあそうだろう。

苦労してここまで来たはずだから。



「冷たいようだけれど、お前の人生を全部背負うことはできない。自分が何がしたいのかをまず考えてくれ。その上でこれからのことを考えよう」



彩葉は何も答えることなく寝室に入ってしまった。

しばらく泣き声がが聞こえていた。



俺は彩葉を置いて仕事に向かった。
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