この空の下
「お世話になりました」

深々と頭を下げた。


できるだけ先生達のいない休日の昼間に荷物をまとめて医局を後にする。



「先生」

後ろから病棟師長に声をかけられた。


「はい」

両手に荷物をぶら下げたまま振り返る。


「もう一度考えなおしませんか?」

ちょうど母ほどの年齢の師長。


「すみません」

すべては私の不徳だと思う。

でも、決めたこと。


「部長先生も、羽蘭先生も頑固ですからね」

トホホと、肩を落として見せた。


「すみません」

もう、そんな言葉しか出てこない。
< 2 / 405 >

この作品をシェア

pagetop