この空の下
しかし、


パッシン。

近づいてきた羽蘭の張り手の方が早かった。


羽蘭は無言で俺を睨み付けている。

俺の耳にはキーンと金属音がしていた。



「私、帰るわ。確認もせず駆け込んできてごめんなさいね。でも、叩いたことは謝らない。さようなら」


冷たい口調でハッキリと言われて、俺は目が覚めた。


でも、遅かった。


俺が止める間もなく、羽蘭は帰ってしまった。
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