この空の下

初デート

隆哉に押し切られる形で、診療所は午後休診。

多恵さんも帰っていき、私は隆哉の車に乗り込んだ。



「どこに行くの?」


「うん。初詣」

初詣?
って、もうすぐ2月ですけれど。

「何で今?」

「今年はまだ行ってないから。羽蘭は行った?」

「いいえ、行ってないけれど。何で今日なの?」

そう、そこ。

なぜ今、わざわざ仕事を休んでまで?


「一番は、俺の仕事が空いたから。あと・・・2人で出かけたことなかったじゃないか。初めての・・・デートってことで」

「はあぁ」

なんだか照れてしまう。
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