この空の下
どんなに言われても、隆哉の言葉はきれい事にしか思えない。

そう簡単に過去の記憶は消せないし、

わだかまりだって流せはしない。

でも、

わざわざ口に出してしまったことは、私に非がある。


全く違う人生を歩いてきた2人だもの、価値観が違って当然。

少しずつ近づいていくしかないんだ。



「せっかくのデートなのに、怒ってごめん」

隆哉の方が折れてくれた。

当然、

「私こそ、酷いことを言ってごめんなさい」

これで仲直り。


もう一度手をつなぎ、再び歩き出した。
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