この空の下
「それで・・・」

ん?


ちょっと言いにくそうな顔の吉川さん。


「どうしたんですか?」


「あの・・・お礼に、食事をご馳走させてください」

「食事ですか?」

「はい。できれば2人で」


2人。

それって、


「迷惑ですか?」

「いえ」


でも、

「吉川さん、お忙しいんですよね。せっかくの休みなら日向ちゃんと過ごしてあげてください」

「もちろん、今の僕には日向が一番大事です。でも、そればかりではダメだと思うんです。日向が保育園でお友達との世界を作るように、僕は先生とお近づきになりたいんですが、ダメですか?」


なんだか、保育園のお友達と並べられた気がする。

親として、医者として、不謹慎な気もする。

でも、不快ではない。


正直、吉川さん言葉は嬉しかった。


だって、男の人に誘われるのなんて凄く久しぶり。
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