【極上旦那様シリーズ】俺のそばにいろよ~御曹司と溺甘な政略結婚~
 その夜、ベッドで今日買ってもらった書籍を読んでいると、柊吾さんがバスルームから出てきた。

 黒髪が濡れていて、タオルで拭いている。

「柊吾さん、私にやらせて」
「自分でできるよ」

 柊吾さんは微笑む。

「いいの。やらせて」

 書籍をサイドテーブルに置いて、ベッドの端に腰掛けた柊吾さんの後ろにペタンと座る。

 柊吾さんの手からタオルをもらい、髪を拭き始める。

「男の人は短いから乾くのが早くていいな」
「もしかしてその美しい黒髪を切ろうと思っている?」
「もう少し短くてもいいかなって」

 背中の真ん中くらいまで伸びたので、乾かすのが面倒になっている。

「心春がそうしたいというのなら、俺はかまわないが……」
「かまわないが……?」

 その先を促そうと、首を伸ばして柊吾さんの顔を見る。

「先を続けて?」

 そう言う私の頬に唇が触れたと思ったら視界が反転し、あっという間に組み伏せられていた。

「心春には俺の言葉に左右されずにいてほしい」

 顔の両側に手をついた柊吾さんは黒い瞳で見つめる。

「好きだから、左右されるよ。柊吾さんの好きなものは好きになるし、嫌いなものは近づけたくない。でもそれは自分を失うわけじゃなくて……愛している証拠なの」

 私は柊吾さんの首に腕を巻きつけ、唇にキスをする。

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