拾ったワンコが王子を連れて来た

異動した初日、仕事終わりに屋上へと繋がるドアに手を掛けると、鍵が開いていた。
不審に思いドアを開けると、そこにはゼネラルマネージャーがひとり煙草を吸って居た。

「お疲れ様です」

「…お疲れ様。
君は…?」

「本日より、こちらに異動になりましたベルの木ノ実真実です」

「あゝ君が木ノ実真実…さんか?」

「すいません…お邪魔してしまって…」

「いや、別に良いんだけど…
普段ここは立ち入り禁止だよ?」

「ですよね…ただ、今夜は星がよく見えるかな…って思いまして…」

「君も星が好き?」

「はい!」

「じゃ、今度からは生田に声掛けると良い。
彼なら、きっと付き合ってくれるよ?」





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