限りある命と限りのない願い。
最初の願い事
 カーン…バシュッ

 僕は父親とバッティングセンターに来ていた。

 僕は片手で数えるほどしかできないけれど、今は父親が打ってる。

 「お父さんは野球してたの?」

 「ああ、高校までな。甲子園あと一歩ってところで負けて引退だったが」

 「ふーん。相手は強かったの?」

 「おう、強かったぞ。でも父さんのチームも強かったぞ」

 「そっか」

 訛ってるなあ、と小言を零しながらもヒットを打つ父親。

 帰ったのは夕暮れ時。

 西日が眩しくて暑い。

 父親と過ごす時間はあっという間で楽しかった。

 帰りは母親にお土産を買って行った。

 今日の事を日記に書く。

 いつもより多くのことが書けた。

 初めて日記と日常に色が付いたようだった。
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