私を繋ぐ優しい手錠


「私は、大丈夫」
そう呟いた彼女は、まるで自分に言い聞かせたかのようだった。
自分への暗示。
そうしないと、きっと弱くなってしまう。そして、彼女は、そんな弱い自分を認められないんだろう。

1度壊れた心は、弱くなっている。
崩れたものを1度組み直しても、どこかでまた崩れてしまう。それと同じだ。
心も1度壊れたら組み直しても組み直してもボロが出て、弱くなっていく。
自分に暗示をすれば、元通りになった気がする。だけれども、それはただ型で押さえつけて心の形を保っているだけ。すぐに崩れ去っていく。
きっと来栖さんにとってそれが、今日で、自分の心が悲鳴をあげていることに気がついていないのだろう。



「おやすみなさい、今日は本当にありがとう」
「気にしないでいいよ、俺は何も出来てないから。……おやすみ」


何度も重ねてしまう。過去の自分と。だからこそ、救ってあげたい。今はこれだ受け入れてくれてるけれど、もし本当の俺を知ったら離れていくだろう。それまでにどうか、明かされる前に、どうかこの孅い女の子を助けたいと思う。

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