成瀬くんなんて大嫌い。
私がやることは、ひとつ。


王子様に…成瀬くんに、めいいっぱいの愛を伝えるだけ。


普段は絶対言えない事を、劇を通して伝えるよ。


これは劇だけど…私の本心だから。


「お姫様…私の口付けで目を覚ましてください。」


成瀬くんの顔が近づいてくる。


そして、キスをする(ふりだけど)。


「…王子様」


…成瀬くん。


「貴方が私を助けてくれたのね。」


そして、場面は少し進み、クライマックス。


「姫、愛しています。」


「王子様…私も、…あなたを愛しています。」


大好きだよ、成瀬くん。


…ほんとに、好き。


chu…♡


ここで2人は再び口付けをする。


これで物語は終了。


「カットー!!!」


ふうっ、終わった。


「瀬戸川ちゃん、さっきめっちゃよかったよ!!」


成瀬くんが、褒めてくれた…!!


「ほんと、瀬戸川さん、すごいいい顔してた!めっちゃよかったよ!!」


…監督まで褒めてくれてる…!!


「…っ、ありがとうっ、」


ちょっと…すごく嬉しくて、涙出てきちゃった。


「瀬戸川ちゃん、なくなーって、」


優しく涙を拭ってくれる成瀬くん。
< 53 / 73 >

この作品をシェア

pagetop