黒と白の羽
《鈴羅side》




(お願い・・・もし私が・・・__になったら・・・鈴羅の手で殺して?)

懐かしい少女の声。

(何を言っているの?絶対に__にはさせないから・・・ねぇ!)

叫んでいる少女。

(もう遅いの・・・お願い。私を殺してね?)

願うような声の少女。

(無理よ!貴女を殺すことは出来ないよ!)

叫ぶ少女。

(お願い。私が私で居れる為に・・・鈴羅・・・)

強く願う声の少女。

(無理だよ・・・私には・・・)

弱弱しく呟く声の少女。

(私と鈴羅は親友でしょ?)

明るい声を出す少女。

(最初の親友だよ?)

思い出す声の少女。

(最初で最後の親友でゴメンね?鈴羅)

悲しみに満ちた声の少女。

(・・・分かった・・・ありがとうね?雪奈・・・)

自らの手で親友を殺した少女。






「今でも覚えてるわ・・・雪奈。
貴女の様な事をしないために・・・
八神の名に誓ったから」


私は昔、自らの手で親友を殺めた。



妖魔に喰われ・・・妖魔になる身だとしても、親友を・・・この手で。



「イヤァァァァー!!!!!!!!!」



幼い声の叫び声に我に返る。そして・・・私は神殿の奥へと走っていった。



「リール姫!!」


奥には血を流して壁にはられているリールの姿があった。



「・・・レイ兄様・・・逃げ・・・て?」


口から血を流して、逃げろというリール。
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