訳あり無表情少女と一途な幼馴染
気配を消し、数m先の2人を追う
また手を繋いで歩いてる

「アイツ等の前で寝るなんて、気が緩み過ぎた」
「この一ヶ月、毎日俺のサポートをしてくれたんだから。しょうがないよ
お陰でだいぶ力が付いた」

やっぱり一緒にいたのか
サポート?
力が付いた?
紫音が変わったのは雫が関係してるのか
ふと2人が止まり、俺は角に隠れる

「じゃあ、酒向さんとこに行ってくる」
「やっぱり家に呼べばよくない?」
「資料が沢山あるから、持ってきてもらうのは申し訳ないよ」
「私がいる」
「力を消耗し過ぎてる、現に蓮達が居るとこで寝ちゃってたでしょ。家で休んでて」
「ん、分かった。じゃあ、行ってらっしゃい」
「行ってきます」

雫が1人になったから、わざと気配を出し気付かせる
案の定、雫は振り返らずに

「何か用」
「この一ヶ月、紫音と何してたんだ」
「…」
「答えろ」
「言ったよな?俺に関わるなって」
「…俺はな、お前にイラついてる」
「………は?」
「雫、お前には分からない事が多過ぎる。
何で紫音と手を繋いでた?
何で紫音だけがお前の何かを知ってる?
紫音がいるから俺等の前でも寝れるって
何で、何で紫音ばっかなんだよ…あ〜もう、何なんだよっ!」
「…」
「お前を見てるとモヤモヤして、イライラすんだっ!
何で紫音だけあんな…っ、何でだよ…っ!」
「………訳分かんねぇよ」

雫は項垂れる俺を置いて去っていく

「……俺だって、訳…分かんねぇよ」
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