俺様上司が甘すぎるケモノに豹変!?~愛の巣から抜け出せません~
 
私が周防さんと暮らし始めたという報告を聞いて、和花ちゃんは丸い目をこれ以上ないほど大きく見開いた。

「そ、それって同棲……だよね? え? じゃあもう、いくとこまでいっちゃったってこと?」

声を潜めているものの、テーブルに前のめりになって尋ねる和花ちゃんはビアゴブレットを力いっぱい握りしめており、そのまま割れるのではないかと私は内心ヒヤヒヤとしながら首を横に振った。

「まだしてないよ。だって一緒に暮らし始めてまだ一週間だもん。第一寝室別々だし」

「寝室別なの?」

「うん、自分の布団持ってきたから。書斎借りてそこで寝てる」

「……へえ~」

微妙な感嘆の声を出して和花ちゃんは目を丸くしたまま姿勢を戻すと、握りしめていたゴブレットをあおってフルーツビールをひと口飲んだ。
 
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