拾いものは危険な恋のはじまりでした
照明がつき、プラネタリウムショーが終わった

無言のまま、私の手を引いて進む奏さんについていく、

“さっきのキスはどういう意味ですか?”聞きたいのに聞けない

そのまま車に乗せられ着いた先は、目の前に海やライトアップされた

夜景の広がる綺麗な公園だった。

少し歩いたところで、奏さんが立ち止まり、私の目を見て話す

「小春、俺はお前に黙っていたことがある。薄々は、感じていると

思うが、俺は極道だ。桐生組の若頭で、俺の親父は桐生組の組長だ。

将来的に俺はその後を継ぐことになるだろう。

俺は、常に危険と背中合わせに生きている。だから、俺と一緒にいる

人も同じように狙われるようになる。今までは、そんな事なんとも思わ

なかった、お前に・・小春に会うまでは・・。」

そこで、一呼吸置き続けた

「俺は、小春に出会ってしまった。俺の側にいることで小春が危険に

晒されてしまうのが分かっていても、離れたくなかった。

小春、俺が、極道の俺が怖くないか」

奏さんが双瞳を揺らし不安げに私に問いかける

「奏さん、私は極道という世界のことは分からないし正直、少し怖い気が

します。でも、奏さんのことは、少しも怖いと思った事は無いですよ」

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