I am 吸血鬼。
玄関を開けた莉桜は、口をあんぐりとあけ、数秒固まった。
そして、大きな声で
「……え〜っ」
と叫ぶ。それを聞いた藍がバタバタと駆けてくる。
そして、莉桜と同様、数秒固まった後、
「……なんでぇ〜」
叫ぶ。
二人の視線の先には、
ソウが立っていた。
「あら、折角向こうの世界から訪ねてきたのに、その反応は…」
ソウはそう言って、大袈裟に哀しそうな顔をする。
「えっ、いやっ、その…
とりあえず、中へどうぞ」
莉桜はしどろもどろに話す。そして、客室へ通す。
「伯母上、お酒とお茶どちらにします?」
後からついてきた、藍がソウにきく。
「じゃあ、折角だし月見酒がいいわ」
ソウがニッコリと笑う。
「わかった。…じゃあ、莉桜は伯母上を縁側に案内しといて?」
藍は言い残し、客室をでていった。莉桜は、ソウを先程、自分達が月見酒をしていた縁側に案内する。
暫くすると、藍がソウの分のグラスと三人分の日本酒を持ってきた。
「さて…飲みましょうか」
ソウが満面の笑みで言う。
「はい」
「うん」
莉桜と藍が答え、皆で乾杯をして飲み始める。