I am 吸血鬼。


−玖桐邸につくと、

「靴持って着いて来てくれる?」

藍が碧と結希に伝える。

「藍、先行って繋いどく」

「ん、わかった」

莉桜と藍が口速に言葉をかわす。すると、莉桜は足速に歩いて行った。

「ごめん。悪いけど、これからあたしの屋敷に隠れてて欲しいの」

藍がゆっくりと歩きながら話す。

「いいよ」

「俺もいいぜ」

碧と結希は即答する。

「待って。話し最後まで聞いてから返事して。

魔界に行って、隠れているにはヴァンパイアになる必要がある。あたしや莉桜みたいに王家に連なる者には、人間をヴァンパイアにすることができる。浚に、一時的に変えることも…だから、屋敷に連れて行く時には一時的にヴァンパイアにしていこうと思う。

それでも…?」

藍が話し終えるか終わらないかという速さで、

「「いいよ」」

碧と結希は優しい顔をして、ハモった。

ちょうど、目の前には扉がある。

「ありがとう。
…ついてきて。暗いから気をつけてね」

藍は目頭が熱くなった。

…どうして、こんなに優しいのだろう、と…

扉を開けると階段が下へ続いていた。


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