塩分過多の海原くん



「……あの、抱きしめてもいいですか?」



「は?いまの話聞いてた?バカなの?」



バカだから、抱きしめてもいいかな?



「……これから、僕の望む関係になれたら、いいよ」



それって、なぁに?



私と同じで……恋人、とかだったらいいな。



「……わかったでしょ、もう、こっちみないでよ」



「照れてるー!」



「うるさい」



男子同士のノリのいい会話。



それを聞きながら、私は頬をおさえる。思いっきり、緩みきった頬を。



私の嬉し涙と……海原くんの、優しくて不器用な塩対応の塩で、そろそろ海ができそうだね、「海原くん」



END.
< 9 / 10 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop