同じ人を好きになるなんて
女性は話を続けた。

「結婚がどうとかじゃなくてもう目の保養ができないのかなって思うと寂しくて」

やっぱりそういうことだったんだ。

「わかりました。り……主人は今仕事がとても忙しいので今まで見たく頻繁に送り迎えができないですが、また何か園での行事があれば顔を出すと思いますので……」

きっと運動会とかお遊戯会があれば顔を出すだろうと思って言ってみた。

するとさっきまでの暗い顔がパアッと明るくなった。

「そうですよね。そっか〜。あの……差し出がましいのですが、今度ご主人が園に来た時、写真撮ってもいいでしょうか？」

「え？写真ですか？」

「はい。奥様がいいと言ってくださればその写真だけで私は大丈夫なんで」

いやいや、大丈夫とかそういう問題じゃなくて、完全にアイドル扱い？

「すみません。こればかりはちょっと……」

女性はガクッと肩を落とした。

「……ですよね」

でもこんなこと本人じゃない私が了承するわけにはいかない。

結局、もし園であったら本人に直接聞いてみて欲しいといって理解してもらった。

だけど、今までいろんな人に声をかけられたけど今回のは最強だった。

と同時に陸斗はきっと目の保養的な感じで見られていたんだとわかった。

そしたらなんか急にホッとした。

って……あれ？なんでホッとするの？
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