同じ人を好きになるなんて
安心した?

その意味は単に家政婦としてよね。

わかってるけどなんだかモヤモヤするのはなぜだろう。

結局私は自分の部屋には戻らず、陸斗が背中を向けていることをいいことに隣で寝てしまった。

元彼と五年ぶりに同じベッドに寝るって複雑すぎる。

どうしても付き合った頃と今を比較してしまうから……

翌朝、私はりっくんに昨日心配かけてしまったことを誤った。


「りっくん。ごめんね」

りっくんは首を横に振った。

「いいよ。だってまゆりお姉ちゃんはこの家を出ていかないんでしょ?」

「うん。出ていかないよ」

するとりっくんはなぜか納得するように頷いた。

「やっぱりあの魔法は効くんだ〜」

「魔法って?」

するとりっくんは少し慌てた様子で両手で口を塞いだ。

「なんでもない。なんでもない」

それってなんでもあるってことじゃない。

私は後ずさりするりっくんに「もしかしてりっくんが私に魔法をかけたの?」と尋ねた。

だがりっくんは首を横に振る。

「陸パパが内緒って言ったから秘密なの」

「もしかして……陸パパが私に魔法をかけたの?」

りっくんは黙ってしまった。

でも魔法って何?

恐らく「チチンプイプイ」ってことだと思うけど……

この時の私は気にもしなかった。
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