君がキライなそのワケは
「ちょ、ちょっとぉ! 待ってよ! 莉子ぉぉ!」

学校を出た辺りでようやく富美の私を呼ぶ声が耳に入って立ち止まった。

「……はぁ、はぁ。もう……莉子ったら。足早すぎ」
「ごめん……」

息を切らせている親友に申し訳なくて謝ったら、彼女は疲れた顔で笑った。

「喉乾いたしなんか飲もっか。莉子のおごりで!」
「えええ」

近くのファストフード店に入った。
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