Match maker
第26話

決戦は…チョコレートの香り

土曜日になって田中さんから連絡があった。



「明日なんだけど、希望はある?」



「…あ、えっと…ロードバイクがいいです」



「分かった、明日は2台にしようか」



「…はい、なぜ…?」



「顔が見たいから」



ぶわっ。

明日は特殊メイクで行きたいくらいだ。



「…あの、お話したいことも…あって…」

こう言っておけば、必ず…

言わなければならない。

敢えて自分の為にそう言った。



「分かった。夕食はうちでと思っているんだけど、かまわない?」



「ええ、はい」



「着替え、持ってきて」



…着替え?



「は?い?」



「着替え。あ、こっちで俺の服着てくれてもいいけど…」



「いえ、は、持参イタシマス」



「じゃあ、明日…少し気温も低くなってきたし2時に、以前と同じ場所で」



着替え?

それって、それって…

おと、おと、おと、おと



【お泊まりでしょうか】



「…いや、ロードバイクで汗をかくからじゃないかな?」

そうだ、そうだ、きっとそうだ。



【明日は肌寒いくらいの気温です。羽織が必要】



「ゼロちゃーん!」



【全身脱毛コース、予約しますか?】



「間に合うかー!」



【シェービングAIの派遣を依頼しますか?】



「…大丈夫です。パックでもして寝よう」



【間に合いますか?】



「うるさい!気持ちの問題だ!」



【“実雅さんが好きです”】

私の声でゼロが言った。



…絶対にバカにして…



【言わなきゃ、ゼロもストを起こしますよ】



「はいはい、お休み!」



【ブィッシュィーン】



ゼロのスト!?

何する気だろ!?



いや、そんな事より……



考えただけで脈拍が……



【ブィッシュィーン異常事態ですか!?心拍数の上昇……ああ、ブィッシュィーン】





何か腹立つ。



好き好き好き好き好き



よし!言うぞ。明日の為に早く寝ることにした。







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