Match maker
「彼女が0を使ってるとしたら、何とかマッチング出来ないのか?」

俺のIQをもってしても、出せた結論がこれだけだった。

漸く分かった。

俺には…難がある。

IQだって、生身の人間を前にしては…

恋愛事に関してはその働きは一切役に立たないと。

こんな小さな、茶缶サイズの…

無機質なヤツに頼らざるを得ないと。

【…やってみよか…。】

まるで…神にでも祈るように結果を待った。

こちらが、向こうを弾かないように…俺の方の条件は

“年齢”と“地域”のみにしておいた。

【あかんなー。】

そう言われ、こちら側の条件は

“誰でもいい”に変更した。

【あかんなー。】

頭を抱えるしかなかった。

彼女の出したら条件…

それさえクリア出来れば…

【あー…詳しくは言えへんけど…自分にとっちゃあ、一番の難問が入ってる。ねーちゃんの条件に。】

ああ、詳しく言って貰わなくても分かる。

俺は完璧だ。

そう思っていた。

彼女以外の女性から来る、数々のマッチング希望からも。

つまり、データでは分からない部分。

「性格…か。」

【著しく欠損してる。故の、(SS)

「努力する。」

【うん、でもその間に成婚する可能性は捨てられへんで?ねーちゃんが。】

0の言葉に…再び絶望が襲う。

【ほんま、ポンコツやな。ええわ、もう…そうなれば前以て言うたるわ。特別支援(SS)やし。何とかするわ。】

そこから、努力をした。

今までしたことない努力というものを。

< 37 / 187 >

この作品をシェア

pagetop