Match maker
努力をしてきた。

コミュニケーションスキルを上げる為に。

だけど…

2回目に会った時には…雲行きが怪しくなった。

0の警告音。

彼女の目。

彼女の態度…日に日に失望されるのが分かる。

0も使用出来ずに、彼女と向き合う。

何を言えばいいのか。

動揺する心中とは裏腹に、思考は冴え渡る。

意地でも、終わらせるつもりはない。

“顔だけ”?結構だ。

それで彼女が手に入るなら。

矢継ぎ早に質問され

責めるように、投げ掛けられる言葉。

婚活でも、自由恋愛でもカタチなどどうでもいい。

「なぜ、あんなにも質問をしてくるのだろうか。彼女からは、俺のデータでいくらでも見られるように設定しているのに。」

【1つええ事言うたる。質問するということは、興味があるねん。お前に。そして、データ上ではなく、お前の口から聞きたいって事や。】

「興味があると?俺に?」

【聞きたいから、聞く。それは、興味やろ。】

「なるほど。」

【お前も聞いたらええ。彼女に。それは、興味があるというアピールにもなる。ただ、聞く質問は気を使え!】

「何を聞いても、気持ちは変わらないが。」

【…それは、視点がちゃう。知ろうとする。相手を。何に喜んで、何に怒って…何に…まぁ、そんなんの繰り返しやな。最終的に“彼女がお前と同じ気持ち”になるまで。や。】

「そんな日が、来るのだろうか。」

It depends on you.(あなた次第。)

いつものように0はそう言った。

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