好きになった子は陰陽師になった。-さくらの血契2-【一人称修正ver.】【完】

「……真紅ちゃんが、そう望まれてるの?」

「わたくしには聞こえていません。真紅にしか願われなかった言葉なのでしょう。……今、わたくしたちに出来ることは、ただ待つことだけです」

「……大丈夫かしら」

「生死に触れなければ、人は生きていけません。生死に関わることを回避することは不可能です」

紅緒は陰陽師として、体術(たいじゅつ)やメンタルコントロールも得ている。

だが、姉はそういうのとは無縁に育った。

今は、紅緒がしっかりとしていなければ。

「黒藤でも呼びましょうか。真紅も、年が近い者がいた方がいいかもしれません」
 
紅緒の提案に、姉は「そうね」と答えた。

< 160 / 314 >

この作品をシェア

pagetop