陽華の吸血鬼➁【一人称修正ver.】【完】
「紅、どうしたの?」
《はっ。すみません巫女様っ。気を抜くとつい……》
慌てて紅姫が頭を押さえる。
「可愛いわねえ」
姿が見える妖異を前に、ニコニコのママ。
「姉様! 紅姫と一緒に並んでくださいっ! 真紅! 紅姫を抱いたまま姉様のお顔に近づけて!」
変態――もとい、極度のシスコン妹が戻って来た。
紅緒様のこの傍迷惑なテンションに、私は最早疲れも感じなくなっている。
慣れとは恐ろしいな。
「紅緒様」
「なんです? 紅姫! 姉様の方を微笑み見るのですっ!」
私が呼びかけても、シャッターを切るのを止めない紅緒様。
……並行して話すしかないな。
「私、紅を式にしたいです」