大嫌い、だから恋人になる
「何か食べる?」

秋山君が聞いた。

「いらない。飲み物で良い」

こういう時は、かっこよくブラックのコーヒーでも飲むのかな。
メロンソーダを飲みながら別れ話って言うのも子供っぽい。

結局、私は無難にカフェオレにした。何が無難かは良くわからないけど。

「俺のこと最低の男だと思う?」

秋山君が唐突に聞いた。

「クズだと思う」

と私は答えた。

「だよな。じゃあ、もう一つ聞いていい?」

「良いよ。答えるかはわかんないけど」

「お前さ、俺のこと嫌いになった?」

「それを聞いてどうするの?私の気持ちなんて、秋山君に何の関係があるの?興味なんて無いくせに。そもそも秋山君は私をどう思ってるの?」
< 190 / 319 >

この作品をシェア

pagetop