大嫌い、だから恋人になる
お昼に出発なら、時間的には十分に間に合う。

イライラしたって、仕方ない。

とりあえず座って呼吸を整えた。

思いきり走って汗をかいたから、車内の冷房が冷たすぎて、ちょっと震えた。くしゃみも出そう。

窓ガラスに映る私の顔は、走ったせいで髪の毛がぼさぼさで爆発してる。

もうちょっと余裕があれば、かわいくセット出来たのに。でももう仕方ない。

カバンの中から櫛を取り出して、軽く梳かすのが精一杯だった。

秋山君に逢ったら、何て話そうか、どこから話せば良いのか、私は何度も頭の中で考えた。

それでも実際に逢ったら、きっとてんぱちゃって、わけわからないことを言っちゃいそうだった。
< 288 / 319 >

この作品をシェア

pagetop