モンスターハンタールチフェル
 表には膜が張っており光を様々な角度から当てると、屈折をして美しい色を生み出していたのだった。

「どうしてオオナズチがあんなに凶暴化してたのかな? 古龍種はあまり姿を現さないんでしょ? それがどうして森丘で生態を狂わせるほど怒り狂ってたのかしら…」

「ああ、それには俺も感じていた。この頃古龍種の行動が活発になってきているらしい、多分これは災厄の前触れであることを表すんじゃないか?」

「そうね、この傷も段々とハッキリとしてきたし…」

 アンはオオナズチの皮を持った右手の甲にある大きな傷を擦りながら、ノアとそんな会話を交わしながら深々と真剣な表情でいたのだった。

 その表情にはどこか運命のようなものを感じ取っているかのような面影があった。

 そしてアレックたちとアンたちは、それぞれ依頼を完遂して竜車で街へと向かっていた所だった。

 お互いこれから起ころうとしている天災、迫り来る大きな影に気付かずにただ、今あるこの広大な世界の景色を眺めながら竜車の中で揺られていた。
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