強すぎる彼女と優しすぎる彼
「治療も始まって、佳子の仕事も始めるだろ?それに加えて結婚式の準備は負担だしさ。それに結婚式、俺が作りたい。」
「ん?」
「佳子ばっかり頑張ってもらうのは嫌なんだよ。俺も何かしたくてさ。」
佳子は今まで結婚式に関することは龍仁がほとんど口出さずにいたことを考えると信じがたかった。

「もちろん一生に一度のことだから佳子の希望も盛り込むけど、俺が一から考えたい。今あるプランを組み合わせるんじゃなくて一から。全部。やらせてほしい。」
「・・・」
「そのためには準備期間も欲しいし、時間をかけたくてさ。遅いか?」
佳子は心配そうに話す龍仁に笑顔で首を横に振った。
「うれしい」
「ほんとに?」
「龍仁が決めてくれたところがすっごくうれしい。」
こうして二人は結婚式を一年後にすることを決めた。
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