強すぎる彼女と優しすぎる彼
「そんなに思いつめた顔するなよ」
龍仁は佳子を抱き寄せた。

龍仁が言葉を発するたびにピクリと体に力が入る佳子に龍仁は心配と愛しさが募る。

この手から佳子を離すことが佳子のためになるとは思えない。自分のわがままでもなんでもいい。佳子を手放したくない。

それで佳子が何かを失うとしても、その分自分が何かをあげられるように努力すればいい。佳子が抱えるものを一緒に背負えばいい。

龍仁の心はその時もう迷いを消していた。
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