強すぎる彼女と優しすぎる彼
結局二人とも仕事を休み自宅へ戻ったのは夕方になっていた。
まだ足元がふらつく佳子を支えながら龍仁は自宅へ帰る。

家へ戻ると改めて夕べのことが鮮明に浮かんだ。

「ベットに横になったほうがいいんじゃないか?」
「うん」
佳子はまだぐったりとしていてベッドに横になった。
その隣に司が座る。

何か言いたそうな龍仁の手を佳子が握った。
「ん?どうした?」
「やめないよ。」
「ん?」
「まだ、やめられない」
その言葉に龍仁はすべてを悟った。言いたいことはたくさんあってもあまりにも不安そうな表情の佳子にそれ以上言えなかった。
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