強すぎる彼女と優しすぎる彼
「はじめはね、自分が今までがんばってきたことを自分で台無しにしちゃうように思ってたの。せっかくここまでがんばったことを壊しちゃうようで・・・。」
「うん」
「でも仕事は失ってもまた探せる。龍仁は・・・代わりはいないから」
「うん」
佳子は話すうちにすっきりとした表情になる。桃は佳子がもう心に決めていることを感じていた。

「桃は?」
「ん?」
「課長とどうなのよ。」
「・・・このまえプロポーズされた。」
「えっ!?」
佳子は紅茶を吹き出しそうになりながら「で?返事は?」と桃に食い入るように質問した。
「まだ・・・」
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