強すぎる彼女と優しすぎる彼
「私は司さんの邪魔をしたくない。司さんのお荷物になりたくない。」
「うん」
「箱のなかに夢をしまいこんでほしくない。」
「うん」
佳子は司の独立の話を桃が知ったことに気づいた。
「司さんの企画したイベントに行ったらやっぱりすごかった。司さんの世界観に引き込まれた・・・。あの才能をいち企業の社員として制限するのはもったいないよ・・・。もったいない。」
「うん」
「でも・・・。」
「ん?」
「幸せだったな。大好きだった。うんん。大好きなの。」
「うん」
桃はそのまま机に泣きながら顔を伏せて眠ってしまった。
< 70 / 198 >

この作品をシェア

pagetop