ヤマタノオロチ
後 二節


「なんだ?外が騒がしいな・・・。」


 スサノオウは幸せだった。


 愛する妻を娶り、子にも恵まれた。


 王として、申し分ない働きを見せ、十分すぎるほどの充実感を味わっていた。


 だから・・・・・・・・・彼は・・・・いつの間にか、釣りをしなくなっていた・・・・。


「ハッ!それが八又の蛇を従えた妖術使いが、この国に現れたという噂が・・・。」


 家臣の一人がそんなコトを口にするが・・・。


 八又の蛇!?


「そんなもの、いるものか?」


 少なくとも、スサノオウはそんなものを見たことがない。


 だから・・・。


「しかし、国の者どもの噂では・・・。」


 まったく・・・。


「だったら、俺の前につれて来い・・・俺は自分の目で見たものしか信じない。」


 だから、鬼を恐れない。


 だから、神を恐れない。


 そうして、勝ち上がってきた。


 そうして、9つの国を落とし、戦神として、ここに君臨している。


 ・・・・それで、正しいのかどうかは、考えない。


 これで、いいのだな・・・オロチ・・・?


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