ヤマタノオロチ


「なぜ、川に銀を流し込んだ?妖術使い!?」


 違う!


 こんな言葉が言いたいのではない。


 オロチ・・・。


 オロチ!・・・わが師!会いとうございました・・・。


 あなたとの再会を、どれほど望んだことでしょう?


 わが師、わが父、わが母よ!


「流し込んだ?何を言っているんだ?スサノオ?俺はそんなことする・・・いや、それ以前に出来るはずないだろう?」


 分かっている。


 分かっております!


 あなたが、そんなコトするわけありません。


 あなた様が、そのようなことをするわけがないのです。


 分かっている・・・分かっているのです・・・。


「とぼけるな、妖術使い!ヤマタノオロチよ!」


 声を上げるのは、お供の一人。


 違う!お前は俺の師に対して、どうして、そのような暴言が吐ける?


「まったく・・・頭が固くなったな・・・スサノオ・・・まぁ、もう何年もたつから、分からないでもないが・・・那須の国の銀の採掘作業?終わったのなら、片付けておけよ。あそこから銀が垂れ流しだぞ。おかげで、俺も魚が釣れなくて困っている。」


 スサノオウではなく・・・スサノオ・・・。


 なんと懐かしい名か・・・。


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