ヤマタノオロチ


「王・・・一人で行かれるのですか?」


 ワノスケが不安な声を上げる。


 お供は一人もいない。


 十分なのだ。


 ヤマタノオロチを倒すには、コレだけで十分なのだ。


「跡取りはいるだろう?万が一のときも問題はない。」


 スサノオウは旅の準備を始める。


 故郷に帰る。


 7年間、共に過ごした師の下へ、母の元へ、父の元へ帰るための準備を整える。


 それだというのに・・・・・・


 ・・・・・・・・なぜ、俺は腰に刀を刺しているのだろうか・・・?

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