COLORS
あたしは詩歌の成績を思い出そうと過去の記憶を頭の中で引っ張りだす。


確か、詩歌の成績は言っちゃ悪いけどあたしよりは下のはず。
今回の1学期の期末の順位はあたしが5位だったから、詩歌は46位だったかな…。


「中の上ぐらいだったと思うよ。」


うちの学年は全部で120人ぐらいいるのでまだ成績は良い方に分類されるだろうなあ…。


「きっと桜木よりあたしのが頭いいはずだっ!」


「詩歌…。桜木って頭いいんだよ?」


桜木の順位はいつもなんだかんだ言ってても20番以内には入っている。結構努力してるんだろうなあっていつも思う。


「え、嘘。」


あたしの言葉を聞いて信じられないと言う顔をする詩歌。
何気に失礼だな…。



「一応勉強してるからな?」


少し髪を触りながら言う桜木。
そんな仕草にあたしは少し
ドキッとした。


え?っていうか何で桜木なんかにドキッってしてるの?
意味わかんないから、あたし!


首を慌てて横に振って考えるのを辞めた。


確かに桜木はカッコイイと思う。身長は170センチぐらいあるし…。


「あ、稀月!」


あたし達がそう話していると、桜木の幼馴染でもありあたしの親友でもある、
結城 なずな ユウキ ナズナに
名前を呼ばれた。


「なずな、どうかしたの?」


急に名前を呼ばれてビックリした。


「遅刻するって聞いたから…。何でかなって思って…。」


あたしの顔を心配そうに見ながら言ってきたなずな。


遅刻した理由は寝坊です。だなんてこの空気じゃ絶対言えない。いや、言いにくい。


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