Only you〜伝えたかった、たったひとつのこと〜
「それで・・・私に何の相談なの?」


「えっ?」


意外な美里の言葉に、私は驚いて、彼女の顔を見る。


「クラス会の時にも聞いたけど、梓の気持ちは変わってないんでしょ?」


「うん。」


真っ直ぐ美里を見て、私は肯いた。


「なら問題なし。あとは・・・行くだけだよ。」


「美里・・・。」


「でも神様って、粋な計らいをするね。まさか、こんな形で、あんたと澤城を再会させるなんてさ。」


美里は少し、感慨深げに言う。


「私も少しホッとした。こうやって親友付き合いしてもらってるけど、本当なら、あの時、私はあんたに絶交されたって、仕方なかった。本当に梓には申し訳ないことしたって、ずっと思ってたんだよ。」


そう言うと、美里の瞳には光るものが。


「あれから10年か、随分経っちゃったよね。でも今度こそ梓の想いが、アイツに届けばいい。心からそう思う。応援してるよ、梓!」


「ありがとう。でも10年だもんね、澤城くんに彼女がいたって、不思議じゃないからね。」


そんな弱気なことを言う私に


「大丈夫だよ!」


と力強く言ってくれる美里。


「神様って、それほど意地悪じゃないよ、きっと。じゃなきゃ、2人をわざわざまた会わせたりしないよ。」


「そう・・・そうだよね。」


笑顔でそんなことを言ってくれた美里に、私も笑顔で頷いていた。
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