運命が紡いだ物語
「花を誘ったって?」

「誘ったというか、だましたというか。」

「だました!?」

だましたって!!

「冗談!
半分は・・。
牧原さんには、映画を見に行こうって言ってたんだ・・。
坂下さんと・・。」

花はきっとサッカー部の試合一緒に観に行こうって言っても断る。

だから、川瀬はわざわざ映画って言ってくれたんだ・・

「そうだったんだ・・。
気を使わせちゃってなんかごめんな・・。」

「そんなのは別にいいよ・・
俺がやりたかったことをしただけ・・」

川瀬とはいろいろあったけど、今では大事な友達だな・・

「ありがとうな・・
川瀬。」

「咲野・・」

川瀬は何か言いたそうに俺を見ていた。

「ん?」

「もし咲野が、別れた理由に納得してないなら俺は探るべきだと思う。
なんで、牧原さんが咲野に別れてって言ったのか・・。
それは、きっと牧原さんのためにもなると俺は思う。
咲野が本気で牧原さんを守りたいと思うなら、もっとちゃんと牧原さんと向き合えよ!
俺にはよくわかんないけど、お前ら見てるとほんともどかしい・・。
俺は咲野たちには幸せでいてほしいんだ。どうしても・・。
言いたいことはそれだけだ・・」

そう言って川瀬も帰ってしまった・・。
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