Black Sapphire 1【大幅改変&更新中】
自分の情報量などそんなに必要ないのだ。今の私は仮初の人間も同然なのだから。それに、私自身の情報を誰が隠したのか操作したのかなど、自分に興味が無いのだから知る由もない。
「…だから?」
「つまり貴女は謎だらけという事です…故意に情報を隠しているとしか考えられないのですよ」
「そんな事私は知らな____」
その言葉を言い切る前に、私は鳳によって木の幹に体を押し付けられた。手首を固く握られ身動きが取れない。寝不足の体では力が入るはずもないのだ。それでも必死に抗っていると、耳元で一言低い声色で言われた。
______"貴女は何者なんだ"
何者なんだ、か。
「はっ、ははっ、はははははは…!」
あぁ、可笑しい。そんなの答えられるわけないのにな。