midday crow
「……あのさ、光輝。前言えなかったけど、バンド名……」

『いーよ。そんな気はしてたし』

「……よくはないでしょ」

紅羽は少し鼻白む。

『いーんだって。紅羽、俺は、いつか戻るよ』

「だったらよくないでしょ。いや、もう手遅れではあるんだけど」

『そっちには帰るけど、あいつらの……おまえらのバンドには戻らない』

「──なんで」

『紅羽。おまえを信頼してる』

「ちょっ」

機械的な音を立てて通話が切れた。
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