midday crow
手紙の主としては、紅羽にまるで、彼らと仲良くなってほしいみたいだったが、そういうわけにもいくまい。

阿鳥光輝が帰ってきたら、紅羽は軽音楽部をやめる。

やめるとき、紅羽の側からも、三人の側からも、未練や不都合がないように。

ただの代替で終われるように、一定の距離を取らねばならない。

光輝のバカ、と小さく呟く。

キーボードの腕が紅羽にないわけじゃない、けれど、光輝とは弾き方が違う。

三人がたまに物足りなさそうな顔をしているのに紅羽は気づいていた。
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